Audition Guide

オーディションガイド

「競合」とは、同じキャストが同じ時期に同業他社や類似商品への広告出演を制限するルールのことです。たとえば、ある企業のシャンプーの広告に出演した場合、契約期間中は他社のシャンプーの広告には出られません。このルールを「商品競合」と呼びます。 また、ヘアケア商品を製造している他企業のすべての広告(ヘアケアとは関係ない商品も含めて)に出られない場合もあります。このルールを「企業競合」と呼びます。この二つの競合ルールについては、下記の図を参照して下さい。

競合のルールによって、モデル側は仕事の範囲を狭められるため、広告に出演する際にはテレビや映画にはない「拘束料」というギャラが発生します。契約期間内には競合のオーディションを入れないなど、事務所が管理をしてくれますが、モデル側も競合他社の商品を軽々しく「おススメです!」などとコメントしないよう「競合」の意識を充分に持ちましょう。
素人時代にサロンのカットモデルをしていたA子さん。その写真が美容系のB社の広告に使用されていましたが、当時はバイト感覚だったため本人もすっかり忘れていました。ところがプロのモデルとなって美容系のC社の広告が決まり、撮影をした後に、B社の広告がまだ使われていることが発覚。結局、C社の・L告は別のモデルで撮り直すことになってしまいました。
事務所に所属する際や移籍する際には、たとえ個人で行なった仕事に関しても必ずマネージャーに伝えましょう。
広告の契約は1クール(3ヶ月)、2クール、1年間などの期間が設けられます。基本的には「競合」がかかる期間もこの契約期間と同じということになりますが、たとえ契約期間が終わっても、直後には競合他社の広告には出演しないのがモデルとしてのモラルです。企業としても、直前まで競合他社の商品の広告に出ていたモデルは他社のイメージがついているため、採用するのを避けたいというホンネがあります。 どのくらい期間を空ければいいかという決まりはありませんが、あるクライアントは「過去1年に競合商品の広告に出ていたモデルは採用したくない」と証言してくれました。 実際、「契約期間」のルールには引っかからないものの、採用したモデルが数ヶ月前まで競合他社のCMに出ていたことが判明し、急きょモデルを変更して撮り直したというケースもありました。契約期間が終わって、競合他社の広告に出たい場合は 事務所マネージャーとよく相談するのがベストです。
この冊子で何度もお伝えしたように、オーディションや撮影現場で知った情報は、一切ほかに漏らしてはいけないのがモデルとしてのモラルです。クライアントは商品のイメージを最大限にアピールするために、多大なコストを投じて広告を制作します。万が一、新商品や新しいCMの内容、出演者などが広告が世に出る前に「競合他社」に知られてしまったら、マネされてしまう危険性もあるため、クライアントは「機密保持」に非常に敏感になります。ネット社会の現代は、誰もが情報発信できる時代。ましてやモデルのみなさんの発言は、一般の人以上に影響力があります。ブログやTwitter、ネットの掲示板への書き込みや写真アップなど軽はずみな行動が大きな損害を招いてしまうこともありえるのです。雑誌などでのコメントや知人との会話に至るまで、充分に意識を持ちましょう。

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