e-SpiritPROFESSIONAL
FTPマットピラティスインストラクター 千葉絵美さん
楽しく続けるをモットーに

ピラティスを始めたきっかけを教えてください。

簡単に言うと太ったことがきっかけです。CAを辞めたあとイギリスに語学留学していたのですが、その時すごく太ってしまったんです。

それでイギリス人の友達にヨガを勧められてヨガの本を買いに行ったんですが、ヨガは体がやわらかくないとできないイメージだったので本屋で迷ってたんです。

そんな時、隣にあったピラティスの本がたまたま目に入って。ピラティスというものが日本に全くなかった時なのでどういうものだろうと思ったんですが、面白そうだったのでとりあえず本を購入して家で本を見ながら試行錯誤でやったところ、太った体が一週間ぐらいで元に戻りました。

1週間でですか?

はい。これはすごいなと思って、それからも誰かに習いに行くとかではなかったんですが、太りそうになったらピラティスをやってました。最初は留学中に偶然発見したという感じだったんです。

ピラティスとヨガの区別がわからない人も多いと思いますが違いは何ですか。

ピラティスは一言で言うと自分でできる整体です。筋トレなのに動きがゆっくりで、いろいろ考えながら進めるから、自分でここが歪んでるんだ、ここが弱いんだってことを知ることができて、それに対して改善すべくいろいろな筋肉を鍛えるので、いわばリハビリのようなものですね。

ヨガとの違いは、一概には言えないのですが、起源を考えるとヨガが精神の修行で、ピラティスはフィジカルな体の修行といえます。意外と似てきたりしてるんですが、インナーマッスルを鍛えるのがピラティスです。

ピラティスというとゆるやかな動きというイメージがありますが。

私も小さい頃から乗馬・水泳・スキー・バスケ・陸上などしっかり体を動かすスポーツが好きでいろいろやっていたのでピラティスは物足りないというイメージだったんですが、実際やってみるとすごくきついんです。でもそれに付随して出てくる効果があるから、見た目が変わる。

体が硬くてもできるし、楽しくて効果が出て、動きはきついけど毎日やっても肩こりや腰痛になったりせず、代謝があがるからたくさんお酒を飲んでも夜遅くに外食しても太りにくい。

ピラティスを職業にしたきっかけは?

留学先から日本に帰国してから、人の観察が好きなのでよく人を観察していたんですが、何で日本人の女性って、身なりが全てすごくきれいなのに素敵に見えないんだろうという疑問を持ったんです。海外の人はラフな服装でもすっぴんでもかっこよく見えたりしますよね。

これは日本人も自分が持って生まれたものを最大限に生かすべく何かしなきゃ駄目だなと思って、そのためにまずは正しい姿勢なんじゃないかと。日本で何か私にしかできないことはないかなって探していた頃でもあったので、ひょっとしたら私にできるかもしれないと思い、まず会社を立ち上げたんです。

ピラティスありきで会社を立ち上げたわけではないんですね。

会社を立ち上げた後に、姿勢とピラティスがリンクしたという感じです。正しい姿勢や全身バランスというのはピラティスだと理論的に教えられるので、きちんと勉強して資格をとって教え始めたんです。

ピラティスが日本ではあまり知られていない時代で、これはいけるかもしれないなってヒラメキもあったのかもしれないですね。最初のうちは全然生徒さんに来ていただけなかったですが。

ピラティスの魅力はどこだと思われますか。

ピラティスは簡単に言うと全てを叶えてくれるエクササイズです。
体が美しく健康になるのはもちろん、精神の状態も非常に良くなります。体をきちんと動かすと達成感を得られるので精神への相乗効果が必ずあります。

私はピラティスが体のリハビリだということだけではなく心身の健康や美しさに繋がると訴えてるんですが、本当にその通りですね。

教える時に心がけていらっしゃることは?

ピラティスはストイックにやらないといけないと私は習ったんですが、ストイックになって余計に疲れてはいけないので、楽しく続けることをモットーに教えています。

生徒さんの全てを受け入れよう、完璧じゃなくてもいいという体制です。大切なことは楽しく続けること。もちろん完璧にやれば成果は抜群ですが、体への効果だけでなく心が元気になったというのが一番だと思っています。


「最終的には自分を信じる心」

ストレスがたまることはありますか?

ストレスや不満がないというと嘘なんですが、あまり直視しませんね(笑)。現実逃避ではないのですが、体を動かす職業なのに気持ちが元気じゃないと駄目ですよね。ここにみんなが来るのは、私が元気だからだと思うんです。みんなを元気にするには私が元気じゃなきゃいけないし、生徒さんに疲れた顔は見せられないので、ピラティスを教えていることで私自身元気になっていると思います。

辛いことがあった時どうやって乗り越えたんだろうと思い返してみると、やはりピラティスのレッスンがあったからなんです。生徒さんがたくさん来てくださることや、ここに来て元気になったって言ってくださることが生きる糧になっているので、それはすごく幸せだなと思いますね。裏切らないように日々精進してます(笑)

それと、よく悩みを相談されるのですが、「駄目だと思った時点で終わりだよ」とか励ますうちに自分の励ましになっているのかもしれません。


すごくポジティブですね。

私自身すごく辛い経験もしましたが、最終的には自分を信じる心しかないと思ったんです。難しいですが、自分を信じる気持ちを持っていればきっと何でもできる。自分の気の持ちようで、なんとでもなるというのはこの仕事をして実感したことです。気の持ちようを根本的に変えてみたりすると非常に楽になると思います。気持ち次第で落ち込むこともできるし、上にあがることもできる。

落ち込むと立て直すのが難しいですよね。

もちろん私にも「どうしようかな」って不安な気持ちは頭の片隅にあるんですけど、私はそうなったらそうなった時だという考えなんです。実際になってないのに、そうなったらどうしようって不安に思う人が実は多いんですが、「どうしようかな」って心配する気持ちよりも、やる気や頑張れる気持ちが勝ったらいいんだと思ってます。


モデル、CA、留学、ピラティスインストラクターという経歴を拝見して、行動力がすごい方だなと。

これがやりたいと思ったら絶対実行にうつします。やらないで後悔するよりもやって後悔するほうがずっといいと思うので。

やってみようという無鉄砲さもありますね。もちろんやりたいことを実現させるための努力も惜しみません。幸い大きな失敗をすることもなく順調にいっています。

今後挑戦していきたいことはなんですか。

ピラティスインストラクターとは別で、モデル業を再開しようと思っています。私個人としてアピールできる場、表現できる場をいただければ、またいろいろな人にインパクトを与えたり励ましたりできるのかもしれないなと思って。 学生の頃やっていたのですが、学校を卒業してCAになって辞めたので、モデル業は半ばやり残した感があったんです。また頑張ってみようと思います。

ピラティスは続けられるんですよね。

もちろんピラティスは続けていきます。ストイックになりすぎない心身にきくエクササイズに変化してきていると思うので、これからもう少しエクササイズ自体も進化していければいいなと考えています。

最後に、何か勇気が出る一言をいただければ。

何かやりたいことがある方は特に、そのことに関してもっと強い思いで見てみるといいかなと思います。漠然とあれがやりたいなと思っても、詳しく知らなかったらあまり踏み込めないですよね。本気でやりたいと思うことはまずよく知ってみることが第一段階だと思います。

それと「あの時にあれをやってれば良かったな。何年も経っちゃったよ」などと言ってる人が多いので、何年経ったとしても、今からでも遅くないって言いたいですね。目標を区切って達成していってもいいと思うし、やったら絶対に自分すごいと思うはずです。自分よくやったなって、今までと違う自分が見れることも人生の中で大切だと思うので、勇気を持って頑張ってください。必ず楽しいことがあります。

ありがとうございました。




Profile

千葉絵美氏経歴  chiba emi FTPマットピラティスインストラクター 株式会社studio-emi 代表

大学在学中に「週刊朝日女子大生シリーズ」で表紙を飾ったことからファッションモデルに。
大学卒業後、客室乗務員として国内大手航空会社にて勤務。退職後、語学留学したイギリスでピラティスに出合い、美しい姿勢と心身のリラックスの大切さを痛感。帰国後FTPマットピラティスインストラクターの資格を取得。現在は銀座にある「studio-emi」の他、「読売・日本テレビ文化センター大森センター」でも指導にあたる。
書籍を多数出版。雑誌・テレビ等のメディアにおいても幅広くピラティス普及活動に努めている。ピラティスを土台にし、心も体も強く美しくなるエクササイズ法を研究中。2009年からモデル業を再開。ナウファッションエージェンシー所属。
株式会社studio-emi http://www.studio-emi.jp/
ナウファッションエージェンシー http://www.nowfashion.co.jp/


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