若いころはどんな人だったのですか?土地柄サーフィンはやられていたと思いますが サーフィンはそうですね、10代の頃からサーフィン始めたんですが・・・。 なるほど 何がおもしろいんだろうっていう中でのサーフィンであるし、どっちにしろ年齢いけば、
どっち取るのってなれば、サーフィンが残るし。その中で、先輩たちから教わって、
「サーファーってどういうもんなの?」っていうのを叩き込まれた。 本当にライフスタイルですね。 リーバイスの646-517フレアとかがね、当時は。フレアでカリフォルニアTシャツとかだったり。 | |
ティキアーティストになるまでは色々とお仕事されていたと聞いたのですが。 要は職を転々としたっていう事ですね(笑い)。クリーニング屋で働いたり、ラーメンの製麺工場の配達係をやったり、
あと建築現場で働いたり、シーリング屋さんていうコーティング・防水屋さんで働いたり。一通り全部出来たんですよ。
それなりに3年とか5年とかいるわけですよ。ただ、やりたいことではなかった。 おじいさんは何をやられていたんですか? 画家。まぁ大した事ない画家ですよ。 おじいさん画家だったんですね!それじゃやっぱり血じゃないんですか? アトリエに行って、それで絵を描いてた。小学校入る前から暇さえあれば絵を描いてた。 それはおじいさんと一緒に? 画材が転がってた。手を伸ばせば、スケッチを描くなり、木炭がなり。 道具があったんですね。それは触りたいですよね。 そこにいっぱいあって。あといろんな有名な画家の画集とかがある部屋だったので、裸婦の絵とか盗み見て忍び込んだ(笑)そういう小学生だった。
絵で食っていくっていう話を親にしても、「無理だよ」って言われてきたんだけど、サーフィンで知り合った仲間達はよくわかってくれていた。 |
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なるほど、今まで培った自分の・・・ 土木作業とか、土方のバイトとか、そういうノウハウが、 ここに集約されていたわけですね。 素人よりは出来た。ただ会社自体が古い体質の考えだから、俺がいつまで経っても一番若いわけ。 それおいくつくらいの時だったんですか? それが30の時かな。5年いて大体分かったから。後日談だけど、「独立して、俺が借りるアトリエの家賃分くらいの仕事を発注してくれっ」て言ったけど、一切無かったね(笑)。 全部口コミだけで? 最初は知り合いに「俺こういうの始めたから頼むよ」「じゃあここにこんなんでいいから作ってよ。」
そこで要するに差別化を図らないと存続が無理だからまず、人がやってないことで作ろうと。 アトリエ公開ってことですか? そう。通り沿いであること、工房をスタイリッシュにきめること。お店じゃないけど、全部のセンスを見てもらうおうと。作品を見てもらうというより、そのスタイリッシュであるという事が重要になってくる。 なるほどなるほど そこでその差別化を図る仕事を自分で考えて、でも波乗りもやってたんですよ、ハワイもちょこちょこ行ってて、 そこでティキという仕事に出会うわけです。 |
なんで俺がティキを作り始めたのかというと、ムラサキスポーツの設計をやってた友達が、「今回ムラサキスポーツの店作りのイメージをディープハワイアンでいきいたいんだ。どうしたらいいだろう?」という話をもらったわけ。 それは看板のですか? いや、内装全部。看板というよりは、設計屋さんだから、「どこをどうすればハワイスタイルになるかな?」っていう。 仕事欲しいから、「作れるよ、任しといて!」って言って、見積書いて、見積書が通って。 どこら辺が具体的に面白いですか?ティキは。 要はね、チェーンソーを使って大体彫っていくんだけど、チェーンソーで丸太を彫っていくっていう作業自体が面白かった。 普通じゃやらないですもんね。 うん。チェーンソーっていうそのツールの魅力もあるし。その絶対女の人は使わない道具だから。
自分がいつも欲求している独自性っていうものがあったわけ。 それ目立ちますよね。 出来栄えも初めてにしてはそこそこ。もうこれ何本目ですか?ぐらいな(笑) あはははは(笑)。すごいですね。 | |
それで気に入ってもらって、「じゃあ次の店もこういうコンセプトでいきましょう」って結構作ったわけ。 ちなみに、ティキの腕前も相当なものだったのですか? あ〜・・・俺の方がうまい(笑) あはははは!言っちゃいましたね(笑) |
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その技術的なことよりも、もっとスピリットの部分の話が聞けてよかったかな。 建造しているものは無いんですか? えーっと、ビショップミュージアムで一点、見た事はあるんですが・・・
あと博物館に納められているけれども、しかも文字を持たない文化なので、きちんと残って無いんですよ。 こんな楽しい事無いよね。ティキはマナが作ってると思って作れと。 それを面白いって思う神谷さんの考え方も間違えなくマナが入ってますよ。 入ってると思う。 アクセサリーとしてですか? お守りなんだけどね。それは自然に対するものとか、先祖に対する敬意の表れなわけ。
自然とか、先祖とかとの繋がりを深めるお守りであるっていう考え方になってきた。 |
では今後挑戦したい事は? あ〜・・・伝承したい。「和でございます」って言ってんのはたかだか500年とか1000年程度の話じゃん。
五百年やれば、繋がれば、俺は五百年後に肯定される。 | |
それを文化としてですね。 そうそう。「俺は湘南出身だから、ボーンカービングくらいは出来るよ」っていうそういう生意気な奴が出てきてくれると面白いですから(笑) それは面白いですね!お前サーファーなのにボーンカービング出来ないの?みたいな(笑) なるほど、「伝承したい」 なんか伝承したいっていうと偉そうだけど、なんかみんなにやって欲しい。
商売敵増えるからなんとも言えないけど(笑)とりあえずは追いつくまでにはまだ時間があるだろうから。 |
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腕的にはやっぱりHansenさんの方が上なんですか? もうね、そこで僕がボーンカービングの腕で勝ってますよっていう人を見ると、すごい。きちんと出来てるし。 でも、それなりの個性があるから、それはそれで良しじゃないですか。独占企業ってわけにはいかないから。 |
何か若者に言いたい事はありますか?メッセージとかをぜひお聞かせください。 人間は誰かを助けるため生きていると思う。自分以外の第三者。 子供であり、奥さんであるかもしれないし、親だったり友達。誰かを助けるためにここに生まれてきてる。 男だったら何でもいいからとりあえず働けって事ですよ。 あははは。とりあえず働け(笑) 目的が9時から17時まで拘束された見返りに、代償に、お金をもらう事が仕事だと思っているから間違いが起きる。 仕事の目的ってお金をもらう事では無いんですよ。それは二次的に発生するだけで、目的は誰かを喜ばせるか、助けるか、これしか無いんですよ。 自分の体が動いた、そこの先の目的って、【誰かが喜ぶか】、【誰かが「あ〜助かった」って思うか】、その2個。 自殺を考えていた子が、あるアーティストの歌を聴いて、頑張ってみようと思ったっていう話を聞いた事があるんですけど。 そのアーティストは確実に人を助けてる。お金は確実にもらうべきなんですけど、発生するだけの事だと思えばいい。 気に入ってもらわなきゃお金はもらえないわけですよ。僕なんか「こんな物に金払えるか」ってどやされる所に生きてるわけですから、 喜ばせるしかない。感謝してもらうしかない。だから若者よ「あなたを必要としている人が必ず居るんです。」という事。 「あなたに助けを求めている人が確実にいるんです。」っていう事を分かっておいて下さい。 「あなたが生まれてきた理由はそこにあるんですよ。あなたの助けを必要としている人が確実にいるんです。一人以上。」 すごいいい言葉ですね。あなたを必要とする人が必ずいる。 確実に居る。今見当たらなくても、将来絶対出くわすんですよ。
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だから今頑張れと。 そう、そういう事なんです。 分かりました。すごく良い話でした。本日は本当にありがとうございました。僕も、がんばるぞ〜! |
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